ウシの話

牛の角の印鑑は、水牛と陸牛の分類があります。

黒水牛の角は真っ黒な、一般的な水牛です(大部分の方が思い浮かべる水牛です)。日本では本水牛、黒水牛などとも呼ばれます。

日本では印鑑の素材(印材)などでもお馴染みで、角材としては価格、供給量ともに最も安定しています。産地は中国、タイ、インド等々のアジア産が多く使用されていますが、アフリカ産もあります。

真っ黒の水牛は染を施しています。自然のままの黒水牛はまばらな黒色をしています。稀に半透明な部位や、角の成長時に出来る白い模様が混ざる場合がありますが、基本的には黒色です。

陸牛は世界に幅広く存在します。日本では、鎖国時代のオランダ貿易で入ってきた事もあり、オランダ水牛とも呼ばれています。

業界の統一名として、牛角(うしのつの)と呼び、色と白に品種が分かれます。色のなかでも、黄色、飴色、色の少なさ、多さ等によりランク付けされています。

牛角の色は、黄水、黒色・茶色・クリーム色・あめ色・白色など、固体や角の部位によって様々な色合いと模様があるのが特徴です。

一頭の牛であれば、左右の角の模様が対称に近くなる事はありますが、本当に固体によってバラバラです。

特に、貴重な黄色の角は中国固有種で、中国全土で水牛と同じように(農作業メイン)飼育されています。

飴色はアフリカ産に多く見られ、素材的にはオーストラリア産が良い品質と日本に輸入されています。

 (もちろん、色合いや模様は実際に角を加工してみないと分かりません。綺麗なあめ色や鼈甲色の素材は、精緻な櫛や工芸品に使われる事もあります)。

牛角の白は、透明感のある白水牛の角は、各種角材の中では最も、貴重で高価です。白の中でも、黄色身をおびた白、真っ白な白、落ち着いた白等、いろいろな色目があります。