野生生物保護と利用の国際的な考え方と日本の対応


野生生物である象の保護

野生生物であるゾウの保護と製品に活用する事は両立します。

サステイナブルユース(sustainablb use)は『持続的可能な利用』などと訳され、生物や生態系そして再生可能な資源を再生能力の範囲内で利用する。保全の一つの形態です。

つまり、銀行の預金の利子にあたる部分を利用し、元金には手を付けないという考え方です。

 1992年にリオネジャネイロで開かれた地球サミットでも再確認され、生物多様性条約の目的として明記されているほか、国際自然保護連合(IUCN)やWWFなど多くの自然保護団体の使命になっています。

南部アフリカ諸国では、この考えにもとづき、ゾウくをはじめとする野生生物の利用による利益を地域住民と野生生物保護に還元。

それにより住民と野生生物の共存を実現してきました。

 サステナブルユースという概念の否定は、野生生物の保全の否定だけでなく、野生生物と共存して暮らしている人たちの権利の否定にもつながります。


ゾウの密輸監視制度

1997年、ジンバウエで開催された第10回ワシントン条約締結国会議において、ナミビヤ、ボツワナ、ジンバウエの3か国のアフリカゾウが条約付属書ノレベル1(国際取引禁止)からレベル2(国際取引は許可制)にダウンリストされたことで、199年春日本に象牙が50トン輸入されました。

ダウンリストされた条件がMIKE(ゾウ密猟監視制度)とETIS(ゾウ取引情報制度)という制度を実行させることでした。

これは、ダウンリストのともなう象牙の取引により、密猟や密輸が増加するのではないかという懸念に配慮し、ゾウの生息国での密猟、密輸をモニタリングしようというものです。

MIKEの最新のデーターによれば、密猟は、原産国の貧困の程度、政府のガバナンス、一部の国の経済発展と強い相関を示しているそうです。

ETISデーターによれば、日本が、アフリカからの違法象牙の目的地になっている証拠はないとしています。