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2023.12.05

山梨県印章業組合の変遷

 山梨県印章業組合の変遷
明治三十年、甲府市桜町土屋宗幸らによって業界最初の団体「甲府水晶組合」が結成された。
明治三十七年に甲府水晶同業組合は、重要物産組合法により結成されたが、運営方針をめぐり幹部の意見が対立し、明治四十年に実際の運営を見ずに解散した。(『水晶宝飾史』)
大正時代に入って産業組合法の施行により産業組合の設立が盛んに行われるようになり、印章業界人の組合の設立が各地で起こった。
大正六年十一月、甲府水晶篆刻同業組合結成される。
細部については不明である(『水晶宝飾史』)
大正十年八月、甲斐水晶販売同業組合が結成され組合長は長田政五郎で、組合の規約がのこされている。この組合の規定によると組合員は山梨県一円に散在し事務所を岩間村(六郷町)都築屋旅館に置いた。その目的として、販売品の粗製乱造の矯正、篆刻の改善、値段の統一、相互の親睦と国産の隆盛などである。目的達成のために組合員は商業道徳を重んじ販売にかけては競争をさけ、事情によっては山梨県水晶篆刻連合会、峡南印商業組合、峡南印章サック組合等に交渉することもある。と決議されている。
右の三組合は、これ以前に結成されていたと見られるが、設立内容が明らかではなく資料不明である。(『六郷印章誌』)組合員には石類印研磨・篆刻業者を加入している。
なお、「山梨県商工人名録」(大正十二年十月現在)には水晶産業所として次の名が記録されている(『水晶宝飾史』)
◎甲府市
常磐町 甲斐物産商会、柳町 玉泉堂 土屋愛造、桜町 柳沢政吉、桜町 精美堂、八日町 上原勇七、柳町 七沢斉宮、柳町 長田白太郎 柳町 一瀬しずか、常磐町 望月広行、柳町 天野武雄、春日町 小宮山国造 八日町 甲斐水晶工業(合)
◎ 郡部(加工場のようである)
市川大門町 丹波政義、岩間村 篠原正広、岩間村 芙蓉堂、渡辺 武、岩間村 南陽堂、岩間村 士橋水晶店、岩間村 勝平堂 鮎川商店、楠甫村 甲富園 笠井金作
峡南印章業組合
昭和元年(一九二六)八月十八日以前の設立であるが、その設立やその後の経過は不明である。(『六郷町誌』)組合員は峡南の印章関係者と甲府市の水晶印材生産者らである。

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